仕事の「やりがい」に悩む人必見 |「やりがい」に囚われない働きかた

「誇りとやりがいを持ち、社会に貢献できる仕事をしよう」 

輝く未来を胸に、多くの若者が新たなステージへと羽ばたきます。しかし、社会経験を重ねるうちに理想と現実のギャップに戸惑い、矛盾を感じ、いつの間にか夢や希望、そして「やりがい」を見失ってしまうことも。

あなたはいま、仕事に「やりがい」を持っていますか?

そもそも「やりがい」って何だろう。

「仕事に『やりがい』が見つけられない」と感じている方に、「やりがいに囚われない働き方」で得られるメリットを解説します。

目次

「やりがい」って、なんだろう。

試しに、AIに「やりがいとは何か」を聞いてみたところ、こんな答えが返ってきました。

  • 自分の仕事が社会や人の役に立っていると感じられる
  • 自分のスキルや能力を活かして、成果を上げられる
  • 仕事を通じて、自己成長やキャリアアップを目指せる
  • 職場の仲間と協力して、目標を達成できる
  • 自分のアイデアや提案が、仕事に活かされる

なるほど。Aiの答えは確かに仕事における充実感の要素を網羅しているようにみえます。しかし、これらの要素を全て満たしたとしても、それが即座に「やりがい」に繋がるわけではありません。なぜなら、「やりがい」とは、単なる条件の充足ではなく、もっと個人的で感情的なものだからです。

「やりがい」って、もっと自分の中から湧き上がってくるものだよね。

AIの答えは、あくまで客観的な指標に過ぎません。ある人は、自分のスキルや知識を活かして、困難な課題を解決することにやりがいを感じるかもしれません。別の人は、人々の役に立つ仕事を通じて、社会に貢献することにやりがいを感じるかもしれません。創造的な活動を通じて、自己表現をすることに「やりがい」を感じる人もいるでしょう。

さらに、「社会や人の役に立っている」と感じるかどうかは、個人の価値観や経験によって大きく異なります。また、「スキルや能力を活かす」と言っても、それがどれほどのレベルで、どのような形で活かされているのかによって、満足度は変わってきます。

つまり、AIの答えは「やりがい」を感じるための必要条件ではありますが、十分条件ではないのです。
「本当にやりたいのはこんなことじゃないんだよな」と感じていたら、そこに「やりがい」はありませんよね。

「やりがい」とは、個人の内面から湧き上がる、仕事や活動に対する深い満足感や充実感なんです。それは、単に外部からの評価や報酬によって得られるものではなく、自分の価値観や信念、興味と深く結びついた、主観的な感覚です。自分の中で「やりがいだと思っていること」だけが、私たちが認識し、こだわり、そして囚われている「やりがい」だと言えます。

「やりがい」という呪縛

「やりがい至上主義」の罠

多くの人が「やりがい」を求めて転職活動を行っています。yadokariの会社で主催する企業説明会参加者のアンケート(2025年)では、仕事探しにおいて重視することの上位に休日・休暇、給与、「やりがい」が挙げられていました。多くの人が、仕事に「やりがい」を求めて転職活動を行っていることが分かります。

現代社会では、「やりがい」を追求することが、あたかも唯一の正しい働き方であるかのように語られ、「やりがい」という言葉が魔法の言葉のように私たちを仕事に駆り立てます。でも、この「やりがい至上主義」が、私たちを苦しめる要因になることも。

  • 「やりがいのある仕事」という理想を追い求めるあまり、目の前の仕事に対する感謝や喜びを感じられなくなってしまう。
  • 「やりがい」を他人に求めすぎてしまい、人間関係で摩擦が生じてしまう。
  • 「やりがい」がない仕事は価値がないという誤った認識を持ってしまう。
  • 「やりがい」を追求するあまり、経済的な安定やワークライフバランスを犠牲にしてしまう。
  • 「やりがい」に固執するあまり、自分の可能性を狭めてしまう。
  • 「やりがい」が見つからない自分を責め、自己肯定感を低下させてしまう。

「やりがいのある仕事」を手に入れることができなければ、まるで人生が失敗であるかのようにじてしまう。そんな状況に陥ったときは、一度「やりがい」を手放してみることで、心の重荷を下ろし、視野を広げることができます。

「やりがい」は無くてもいい

「やりがい」を持てない、と悩んでいる方にまずお伝えしたいのは、「やりがい」がないことに、罪悪感を感じる必要はないということです。(仕事がつまらないという不快感はあるにせよ)

仕事は、「やりがい」だけではなく、様々な意味を持ちます。例えば、

  • 仲間との協力や達成感を得る場
  • 生活を支えるための経済的な基盤
  • 社会との繋がりや貢献を感じる手段
  • 自己成長やスキルアップの機会

これらの意味を認識し、仕事に対する期待を柔軟に調整することで、「やりがい」がなくても充実した働き方を実現できます。

自分の思う「やりがい」一点にこだわって、他の可能性を排除してしまうのは、 「木を見て森を見ず」だね。

無理にやりがい探しをする必要はありません。やりがいがなくて上等!持てないものは仕方ない。そう潔く割り切ってみると、ちょっとだけ清々しい気持ちになります。「やりがい」という言葉に縛られず、「仕事」そのものをフラットに見つめ直すことで、新たな発見があるかもしれません。

「やりがい」を手放すことで得られるもの

「やりがい」を手放すことで得られるメリットをいくつかご紹介します。

✔︎精神的に余裕がでる
「やりがい」を強く求めすぎると、それがプレッシャーとなり、精神的な負担になることがあります。手放すことで心の余裕を取り戻し、ストレスから解放される可能性があります。

✔︎視野が広がる
ひとつの「やりがい」に固執すると、他の可能性を見落としてしまうことがあります。手放すことで、新たな興味や才能に気づき、視野を広げることができます。

✔︎柔軟な考え方ができるようになる
 変化の激しい現代社会では、柔軟性が求められます。「やりがい」を手放すことは、変化への適応力を高め、新たな環境や状況に対応する力を養うことに繋がります。

✔︎人間関係のストレスからも解放される
仕事や特定の活動に過度にのめり込むと、周囲との関係が疎かになることがあります。無意識のうちに同僚にも同じ熱量を求めてしまったり、無駄に張り合うことも無くなります。「やりがい」を手放し、プライベートな時間を増やすことで、家族や友人との関係を深めることができます。

✔︎自分にとって本当に大切なことを見つける:
夢中になっていた事を手放すことによって、自分にとっての人生の優先順位が明確になり本当に大切にしたいものが見えてくるかもしれません。

「やりがい」を手放す。一見するとネガティブな印象を受けるかもしれません。でも、状況によっては、気持ちが楽になったり人間関係が円滑になるなど、 「やりがい」を手放すことで見えてくることや、意外なメリットがあります。そして、その先に、今まで想像もしていなかった、新たな「やりがい」が待っているかもしれません。

「やりがい」を手放すことで「やりがい」が見つかる場合もある

「やりがい」の呪縛を一旦リセットすることができたら、目の前の仕事の見え方が変わってきます。従来の「やりがい」の概念にとらわれず、より多角的で包括的な視点から捉え直すことで、新たな価値観や可能性が見えてくる場合もあります。

つまらない仕事の中の「キラリ」を見つける

今、抱えている仕事の中にもさまざまな側面があります。その中にちょっとは「マシ」だと思える部分はありませんか?例えば、

営業の仕事が嫌いで辛い → 「人と話す」という事だけは、嫌いじゃな とか

経理の仕事はつまらない → 仕事に必要なクラウドの活用推進は得意だ とか

販売の仕事は自分に向かない → 店内のポップなど販売促進につながる業務は面白い など

繰り返しになりますが、大事なのはあなたが描く従来の「やりがい」をいちど、完全リセットすること。そうすることで今まで見えなかった仕事の側面が自然に見えてきます。新たな「やりがい」を手にする人もいるでしょうし、「やりがい」を手放し精神的なゆとりを得ることで、プライベートを充実させるといった生き方を選択する人もいるでしょう。転職したい理由が「やりがい」だった場合、その段階で判断してもいいと思います。

キラリを見つける5つのステップ

もし、もう少し積極的に取り組んでみるなら、以下のことを試してみてください。

仕事の分解
現在の仕事を細分化し、具体的なタスクや業務内容をリストアップします。

感情の切り離し
各タスクに対して、好き嫌いといった感情を一旦脇に置き、客観的に評価します。

スキルの洗い出し
 各タスクを遂行するために必要なスキルや能力を洗い出します。

興味の再発見
仕事を分解し、ツブツブ化したタスクのどこかに、自分が得意なこと、興味があること、好きなことなどに結びつきそうな場面を探してみます。

価値の再構築
得意なことや興味があることを活かせる仕事の組み合わせを考え、新たな価値観を構築します。

5つのステップをお伝えしましたが、これによってまた新たな「やりがい」呪縛に囚われる可能性もあります。まずは「やりがい」概念をリセットするということをトライしてみてください。

まとめ

「やりがい」は人生を豊かにするための重要な要素ですから、「やりがい」を手放すことが、必ずしも全ての人にとって最善の選択肢ではありません。しかし、「やりがい」の壁にぶつかった時は一旦リセットをして自分の中に新たな価値観が湧き上がってくるのを焦らずに待つのもひとつの方法です。そこから自分らしい働き方を見つけることで、より充実したキャリアを築いていきましょう。

「やりがい」を手放すことは「逃げる」ことではありません。新たな可能性を切り開くためのステップとなる可能性が多いにあるということを覚えていてください。

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